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中心市街地の成功方程式―新しい公共の視点で考える“まちづくり”

中心市街地の成功方程式―新しい公共の視点で考える“まちづくり”
細野 助博
中心市街地の成功方程式―新しい公共の視点で考える“まちづくり”
定価: ¥ 2,100
販売価格: ¥ 2,100
人気ランキング: 6145位
おすすめ度:
発売日: 2007-09
発売元: 時事通信出版局
発送可能時期: 通常2~3日以内に発送

街づくり関係者にとって必読の書
 『中心市街地再生』が、多くの地方都市の首長選挙では、必ずというほどマニュフェストに掲げられているが、再生が難しいことはシャッター商店街が物語る。国はコンパクトシティを目標に掲げて政策誘導を図るが、霞ヶ関が思い描く通りには進んでいない。
 著書が類書と比べて注目に値することは、著者自身が関わる東京多摩地域での街づくり事例にとどまらず、全国やアメリカの事例を分析し、その黄金律を探っている点である。単なる街づくり成功体験談や、成功事例集が多い中で、本書は統計的な分析を背景に持ち、社会科学的にも信頼が於けるであろう。
 また、本書は市民が読みやすいエッセーの体を取っているが、その内容は専門書にも劣ることなく、創造都市論など最新の研究成果が反映されている。

「自分の頭で考える人」のための羅針盤
 地方ではシャッター通りがあふれているのに、書店に並ぶ中心市街地本は病状診断の理論もなく、どれも「がんばってます!」という事例ばかり載せている。そんな中で、「成功方程式」と謳ったこの本が類書と違うのは、筆者が事実とデータだけを積み重ね現状をモデル化し、対策シナリオを提案している点だ。例えば「人口5万?10万人の中規模都市では車依存が高くなると中心市街地は疲弊する」という指摘は、「コンパクトシティ論」が有効な所とそうでない所があることを示しており、都市計画系のまちづくり本には無い視点だ。
 全体はゲーム理論をベースに書かれているが、「人口は幸福を求め移動する」というように著者の人間観察に合わせてモデルを拡大しているところも読者にはわかりやすい。私はコンサルタントだが、問題をシステム思考でとらえ、人材が育つしくみ、つまり「学習する組織」をつくらないと時代に取り残されてしまうのは、企業も商店街も同じらしい。中心市街地の当事者が、自分たちの頭で対策を考えるための問題解決手法本として本書は大いに役立つだろう。でも、成功例をただ真似したいだけの人は・・・そういう考え方がうまくいかないことを実感してから読むといいかもしれない。

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