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競争やめたら学力世界一―フィンランド教育の成功 (朝日選書)
福田 誠治

定価: ¥ 1,260
販売価格: ¥ 1,260
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発売日: 2006-05
発売元: 朝日新聞社
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考えさせられた
国際学力テストPISAで日本が順位を落としたとして、学力低下がマスコミで騒がれました。
私も単純に「ゆとり教育がいけないのだ、授業時間を増やさなければ」と感じた一人です。
しかしこの本ではまず、PISAの結果を細かく分析しながら、日本が他の先進国と比べて特に低学力なわけではないと述べています。
PISAで学力世界一となったフィンランドは、実は世界一、授業時間が短いのです。つまり、授業時間の多さが学力に結びつくわけではないということです。
また、フィンランドの小・中学校では競争もなく習熟度別クラス編成も皆無で、一方、そのようなクラス編成を取っている他の先進国のほうがむしろ低学力だという結果になったのです。
これはもう、教育の内容が異なるとしか思えません。国を挙げて教育に力を入れ、教師の質も高く、地域社会全体で学校教育を支援していく体制のできているフィンランドと、今の日本とを比べると、いろいろ考えさせられるものがありました。
本を読まない日本人が増えている
本を読まない日本人が増えている。
そこからして、フィンランド人に負けている。
小手先の学力検査の結果で教育論が右往左往する。
そこからして、日本人には信念がない。
教育を競争主義の市場原理に委ねようとする。
結局、日本はアメリカの二の足を踏んでいて、何も結果から学んでいない。
このように、日頃思っている諸氏であれば、この書を読んだらいいと思う。
ただし、本書からはフィンランドをはじめとする北欧諸国が、日本と同じようなバブル後の不況にあえぎながら2年で克服できた理由を本来はフィンランド教育改革から説明できるのに書いていない。
フィンランド人の精神性の高さは垣間見えるが、フィンランドの教育観の根底にある「社会構成主義」が、どの程度日本の「自ら学ぶ」教育観や、経験主義に裏付けられた「総合的学習」の教育観と異なるかが、今ひとつ明確にならない。
なので星4つ。
制度の紹介としてはまぁまぁ
これは教育を担当するフィンランド人に取材をして書き上げられた本です。で、フィンランドについて大まかなことについては大体理解できました。そういう点では読んで納得できます。
しかし、問題はじゃあ「日本はどういう点を学べばよいか」という視点が提供されていないわけです。「フィンランドに学べ」という主張は、PISAテストの結果だけがその合理性の根拠となっていますが、本当でしょうか?一例を挙げれば、少なくとも日本がフィンランドと同じ教育制度にするためには、相当な増税をしなければ絶対に不可能ですが、その提案を日本国民は支持するのでしょうか?そういったもう少し巨視的な観点が、日本との比較という点において足りないので、読後に不満を覚えます。
「フィンランドに学べ」ということを言う人がやたら多いのですが、それが生徒や親や教育関係者を含めた、日本国民全体にどの程度貢献するのかをきちんと説明しなければ、そもそもフィンランドの制度を日本に紹介する意義も無いでしょう。